2016年8月11日木曜日

8.11は植村さんの日

25年前の1991年8月11日、朝日新聞の朝刊(大阪本社版)社会面トップに、植村隆さんの署名記事が掲載されました。植村隆さんは当時33歳。社会の弱者や差別を受ける人たちの声を読者に届けることに使命感をもつ心やさしき社会部記者でした。記事は、元朝鮮人従軍慰安婦のひとりが韓国の団体の聞き取りに応じて証言を始めた、というものでした。その慰安婦のおばあさん(金学順さん)は3日後に単独インタビュー(北海道新聞)と共同記者会見で自身の辛く悲しい体験を語りました。それまで韓国社会で閉ざされていた従軍慰安婦の存在はこうして大きくクローズアップされ、元慰安婦が次々と名乗り出ることになったのでした。

四半世紀の歳月が流れました。植村さんはいま58歳。この25年前のスクープ記事を「捏造」と誹謗中傷し、植村さんの記者生命と名誉を傷つけようとした大学教授(西岡力氏)とジャーナリスト(櫻井よしこ氏)、文藝春秋など出版4社を相手取って、東京と札幌で名誉棄損訴訟を闘っています。
NY同時多発テロの9.11、東日本大震災の3.11と同じように、8.11は私たち「植村裁判を支える市民の会」にとって、大きな意味をもっています。植村裁判の原点ともいうべき日、それが8.11です。
「私は捏造記者ではない」との植村さんの叫びと、支える会の参加呼びかけ「不屈の民主主義をつくるために」を、きょうあらためて胸に刻み、さらに支援の輪を広げ、絆を強く固くしていこうと思います。
25年前の8.11、朝日新聞朝刊社会面(大阪)。
右肩のトップに植村さんの署名記事がある